太陽電池は、エコで省エネなクリーンエネルギーとして、世界中で注目を集めています。
ただ、消費者として太陽電池に興味がある、住宅に使いたいと思ったときに大変なのが、種類が多くて違いがよくわからないことです。
そこで、さまざまな太陽電池の種類をまとめました。
太陽電池は、非常に種類が多いです。わかりやすく大雑把に分類すると、「シリコンを使うもの」「シリコン以外の素材を使うもの」「シリコンとそれ以外の素材を組み合わせたもの」の3つに分けられます。
産総研(国立研究開発法人産業技術総合研究所)が発表している「シリコンの種別と略称(https://unit.aist.go.jp/rcpv/ci/about_pv/supplement/SiTypes.html)によると、いわゆる太陽電池、ソーラーグレードに必要なシリコンの純度は「99.9999%」です。
太陽電池のメーカーによっては、ICチップなどに求められる基準である「半導体グレード」の「99.999999999%」という純度のシリコンを使っている場合もあります。
もっとも代表的な太陽電池は、単結晶か多結晶のシリコンを使ったものです。太陽の光を電力に変換するためには、とても純度の高いシリコンが必要になります。
結晶系で高純度のシリコンは、数が少ないこともあってとても高価です。そこで、コストカットのために生み出されたのが、ガラスなどにシランガスというものを吹き付けて、化学反応で薄い膜状のシリコンをつくるアモルファスシリコン太陽電池となります。
コストは安いのですが、シリコンの純度や並び方が不規則なため、結晶系のシリコン太陽電池に比べると発電効率が低いです。薄膜シリコン太陽電池とも呼ばれます。
三洋電機が開発し、パナソニックが販売している太陽電池です。アモルファスシリコンと通常のシリコンをサンドイッチすることで、両面から発電でき、熱にも強いという特徴をもっています。
太陽電池の普及には、ソーラーパネルの低コスト化が不可欠です。ただ、シリコンはどうしてもコストが高くなってしまうため、さまざまな企業がシリコン以外の化合物を使った、より低価格で発電効率のよい太陽電池の開発も進めています。
CIS太陽電池とは、銅、イリジウム、セレンからつくられた太陽電池です。名前は、原料となる物質の元素記号、Cu、In、Seの頭文字をつなげたものとなっています。形状としてはHIT太陽電池と似ており、ガラスなどの基盤に、化合物を薄膜状に広げることでつくる太陽電池です。
CIS太陽電池の原料に、ガリウム(元素記号Ga)を加えた4元素でつくる太陽電池となります。CIS太陽電池の改造版で、若干CIS太陽電池よりも効率がよいとされているのが特徴です。ただ、原料のカドミウムが人体にとって有害だという問題点もあります。
ガリウムとヒ素(元素記号As)を組み合わせた太陽電池です。ガリウムがレアメタルであること、作成にかなりのコストがかかることが課題なものの、太陽光を吸収する能力が非常に高いため、低コスト化のための研究も行われています。
カドミウム(元素記号Cd)とテルル(元素記号Te)の化合物からつくられる太陽電池です。カドミウムを使うため、毒性の問題があるものの、非常に安価で大量につくることができることから注目されています。 国内の企業は製造しておらず、おもにアメリカの大手ソーラーパネルメーカーである「ファーストソーラー」社が開発しているパネルです。
太陽電池は、さまざまな種類が開発されています。一度導入すれば、数十年電気代を安くすることができるお得なシステムだけに、気になっている人も多いでしょう。ただ、まだまだ発展途上の技術です。どの種類の太陽電池であっても、発電効率に極端な違いはありません。
太陽電池を選ぶなら、メーカーの保証期間や施工の代金に注目することをおすすめします。