ある程度の広さがある土地を持っている人は、地上に太陽光発電を設置しているケースも見受けられます。
農業を営む方で、農耕に適さない土地を利用して設置したり、動物に農作物を荒らされてしまうために農業の限界があるという方も、太陽光発電を設置して安定した収入源を確保しようとされているようです。
そのほか、駐車場の頭上に太陽光発電を設置するというスペースの有効活用をされている方もいます。
一般家庭はもちろんですが、企業の屋根も太陽光発電を設置して有効活用されています。 ビルの屋根や集合住宅、工場の屋根など、いろいろな環境の屋根に設置できるので、もっとも活用しやすい場所だといえるでしょう。 ある地域では、小学校の屋根に設置しているところもあるようです。
地上や屋根のように太陽光発電の設置をイメージしやすい場所とは対照的なのが「壁面」です。
ビルの壁面の一面に太陽光発電を設置することが可能なので、かなりたくさんの設備を設置できるメリットがあります。
個人宅などでは難しいですが、企業のビルでは壁面に太陽光発電を設置しているところも多いようです。
窓一面に太陽光パネルを設置してしまうと日光が入ってこなくなってしまうので、個人宅では難しいですが、ビルなどの建物で窓の部分を多く取っている建物だと、窓の一部やひさしに太陽光パネルを設置することができます。
大きなガラスの反面にパネルを設置すれば、バランスよく日光を取り入れることもできるので、意外と汎用性の高い方法です。
同じ日本でも陽の長さが違うので、太陽光が当たる角度は地域によって異なります。
さらに季節によっても最低角度は異なるため、季節に応じて角度を変えるのが理想です。
例えば、東京都の八王子市で考えた場合、夏至の頃には「2.6度」の傾斜がもっとも日光を受けやすい角度になります。
逆に、冬至の頃になると「61.1度」が最適です。
夏は太陽の高さが高いのに対し、冬は太陽高度が低いのです。学校で授業を受けているときも、冬のほうが日光が入ってきて眩しいと感じませんでしたか?
このため、冬のほうが太陽光パネルの傾斜を高くする必要があり、設備によっては季節に合わせて自動的に傾斜を変更できるものも作られています。
しかし、費用などのことを考えると現実的には難しいですよね。
夏と冬で最低な傾斜の中間を取った角度で設置するのがベストと言えるでしょう。
各地域で最適な傾斜は異なり、例えば北海道札幌市の場合は34.8度がもっとも最適な角度になります。
屋根の勾配で考えると「7寸勾配」が合い、前述した八王子市は33度が最適のため「6.5寸勾配」、南に行って鹿児島県鹿児島市だと27.7度で「5寸勾配」と、傾斜が小さくなっていきます。
「経度が下がると傾斜が低くなる」と考えるとわかりやすいですね。
太陽光発電は名前の通り、太陽の光をエネルギーにしているため、いかに日光をたくさん受けるかという点はとても重要です。
住宅でも同様ですが、もっとも日当たりがよいのは南向きなので、太陽光パネルも南向きのほうがよりたくさん日光を受けられるでしょう。
前述した屋根の勾配は太陽光パネルを真南に設置した場合の話で、方角が変わると最適な傾斜はさらに変わっていきます。
西向きや東向きの場合、日中の太陽光をできるだけ長く受けることができるよう、傾斜は低いほうが望ましいです。
環境の問題で太陽光の設置を断念したという人も、方角や傾斜を考慮すれば発電量を得やすい状態で設置することができるかもしれません。
よくわからない場合は、専門家に調査を依頼してみるのがよいでしょう。